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特別支援学校を対象にICT機器を活用した遠隔部活動指導を実施

2 知的障害を有する生徒を遠隔部活動指導する際の工夫とポイント

知的障害を有する生徒に対して遠隔部活動指導するときに必要な工夫とポイントを教えてください。

松山:指導対象となる生徒の特性に応じた工夫が必要です。最軽度の知的障害であっても、認知上の困難やコミュニケーションの課題があり、コーチが口で助言するだけでは指導内容が上手く伝わらないことがよくあります。このため、わかりやすい伝え方に配慮した指導が求められます。

具体的には、アドバイスするときの説明の仕方です。例えば、指導者が動きを見て、「もうちょっと腰を低くして」とアドバイスしても、どのくらい腰を下げて良いのかが抽象的でわかりにくく、指導の意図が伝わりにくいのです。対面であれば腰の位置を色々な方法で伝えることはできますが、オンラインで曖昧な説明をしても効果的ではありません。そのため、生徒には壁にテープを貼ってもらって腰を落とす高さの目安を確認してもらったり、あらかじめ高さのわかる定規の役割を果たす具体物を用意して確認してもらったりする工夫や支援をしていくことがポイントです。

もう一つ、認知上の困難に配慮した遠隔活動の要素として、「電子練習日誌」を活用しています。知的障害を有する生徒の中には、情報を整理して理解することが苦手な子もいるため、記述中にコーチが生徒に問いかけを行い、振り返りを促し、練習内容を一緒に整理していくことが有効な場合があります。この点に関し、遠隔指導ではGoogleスプレッドシートを活用して日誌を電子化し、遠隔地で記述する生徒の記述を指導者がクラウド上でリアルタイムに確認できるようにしました。それによって指導者の問いかけや生徒の情報生理がシームレスに行える環境を整えることができました。

そして、安全の配慮を欠かすことができないでしょう。コーチと生徒がそれぞれ別の場所にいて部活動を行うことになりますので、万が一生徒が怪我してしまった場合にどう対応すべきか, 事前に学校や保護者様と話し合っておく必要があると思います。

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