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全国横断的に認知症による徘徊を見守るオレンジセーフティネット

3  行方不明者を探す「オレンジ協力隊」の存在

では、具体的なアプリの仕組みや使い方を教えてください。

藤原智人さん(以下、藤原):まず、オレンジセーフティネットを導入するのは自治体になります。そして、徘徊が心配される認知症高齢者のご家族と、自治体の捜索活動に協力する意思のある人(オレンジ協力隊)は、あらかじめ自治体に申請し、オレンジセーフティネットへ登録しておきます。ちなみに、オレンジ協力隊については、住民に向けて広く募集している自治体や、行政職員や事業者に絞って募集している自治体などさまざまです。

行方不明者が生じたら、ご家族がアプリに設置している「いなくなったとき」というボタンから捜索依頼を出します。年齢や顔写真、服装などの特徴、最後に確認された場所などを入力すると、オレンジ協力隊に情報が配信されます。捜索に協力できる場合は、「協力する」というボタンをタップします。それによって自治体圏域を超えた捜索協力依頼が可能になります。発生直後はそんなに遠くまでは行けないので、たとえばまず3 km 圏内にいるオレンジ協力隊に依頼を出し、時間経過とともに距離を広げていく、という使い方もできます。

捜索の状況は、チャット機能を使ってアプリ画面からリアルタイムで確認できます。他の捜索協力者が今探している場所は、自動的に地図上にプロットされますし、似た人を見かけたという情報のやり取りもできます。こうしたコミュニケーションは、メールやFAXでは難しいです。



ただ、捜索に必要な個人情報の取り扱いは注意が必要ですよね。

藤原:そうですね。基本的に個人情報を含め、捜索情報は必要最低限に留めていて、すべてアプリ内でのみ運用されるよう設計されています。住民全員で使うために導入された小規模自治体では、住民に説明会を行って理解を深めているケースもあります。また、オレンジ協力隊のメンバーを行政職員や介護施設の人だけに限定して、クローズドに運用されているケースもあります。また、捜索が終わったら、「終了」の状態になります。そうすると行方不明者の詳細情報やチャットのやり取りは一切見ることができなくなります。

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