開発の際は耳の不自由な方にもプロジェクトに協力してもらったとのことですが、どのようなフィードバックがありましたか?
本多:先ほどお話しましたが、充電はフィードバックを反映して使いにくさや煩わしさを排除しました。丸みを帯びた肌に優しい形になっているのも、もともとの形が使いにくいという声があったためです。また、聾学校の先生からは「リズムを同時に伝えたい」という要望もありました。
デザインもフィードバックを反映して改良されたのでしょうか?
本多:そうですね。最初は、髪に付けるデザインだったんです。しかし、そもそも人工内耳を付けている人がいるので、頭部のまわりに付けたくないと言う人がいたんですね。 あまり軽くし過ぎると振動に弱くなってしまいます。大きくてもアクセサリーとして駄目なので、ちょうど良い今のサイズになりました。 Ontennaは、こういうさまざまな声を聞きながら、ブラッシュアップして作り上げた製品です。
そのほか開発で苦労したことはありますか?
本多:最初は生みの大変さはもちろん、どういうフィードバックをすれば良いのか、どういう形にするのが良いかなど、それぞれのフェーズで苦労がありました。 また、どうやってビジネスにするかというのが大変で。テストマーケティングしたり、実際に映画館に被験者の人たちをたくさん呼んだりして、Ontennaがあるときとないときで感じ方の違いをテストしてみたり、どういうマーケットに売れるか考えたり、製品化まで時間がかかりました。多くのエンジニアや協力者の方に支えられて、ここまで来たという感じです。
Ontennaの可能性を話す本多氏