ICT端末やICT機器に対する難病患者のニーズや期待に変化を感じることはありますか。
今井:スマートフォンなどの普及により、病気になる前からICT端末に慣れ親しんでいた人が増えました。それにより、ICT機器を活用してリアルのコミュニケーションを円滑にしたいというニーズだけではなく、ICT端末を不自由なく操作したいというニーズが目立つようになりました。
特に若い世代は、オンラインゲームを楽しむためにICT機器の活用を希望する人が多いです。単にゲームを楽しむだけではなく、オンラインゲームのコミュニティに参加して他のプレイヤーと交流している人もいます。
日向野:難病患者や障害のある人がオンラインでバーチャルのコミュニティに参加し、様々な人と交流することは素晴らしいと思います。支援者側は現実世界でコミュニケーションを円滑にすることを重視してしまいます。もちろん、それも大切なのですが、我々は難病患者や障害者のニーズに耳を傾けて、最適なツールをリサーチし、ベストな使い方を模索して提示したいと考えています。
支援者は患者さんが実現したいことを汲み取って、それを叶えるためにどのようにICT端末やICT機器を組み合わせて活用すれば良いのかについて提案することは、患者さんのクオリティオブライフの向上のためにも必要です。今後もICTの進化で様々な支援ツールが開発されると思いますが、あくまでも患者さんの意志を尊重するための支援を心掛けなくてはいけません。
2023年度から今井さんに代わって理事長を務めている日向野さん