全国に30万人いるとされる視覚障がい者。その中の6〜7割が弱視といわれ、特に子どもたちは通常の教科書では文字や図版を読み取ることが困難なため、大変苦労しながら学習しています。そんな子どもたちのために提供される「拡大教科書」は、かつては多くがボランティアの手作業によって作られ、製作期間も2カ月以上と膨大な時間を要するものでした。
その活動に手を差し伸べたのが、日本有数のカラー複写機・複合機メーカーの富士ゼロックス。1994年から全国の営業拠点や販売会社のカラー複写機・複合機の無料貸し出しをスタートしたのです。その結果、製作期間は大幅に短縮し、製作者の負担も軽減しました。現在では、全国のボランティアグループや弱視児童・生徒の保護者が利用しており、拡大教科書作りに欠かせない存在となっています。
その活動について、担当者の方々にお話を伺いました。
左から富士ゼロックスの菊島由子さん、小島大地さん、田中真紀さん、沢辺和浩さん、坂本ゆかりさん