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一人でも多くの子どもたちが楽しめるおもちゃを
〜「共遊玩具」というユニバーサルデザイン〜(4/5)

4. 思い出深い商品は何ですか

他の部署でレジスターのおもちゃの開発を担当していた親しい友人が、設計段階で企画の内容を話してくれました。このレジスターには簡単な計算機能がついていて、数字キーを押すとピッピッピッと音がします。でも、音は一種類だけ。そこで、各数字キーの音の高さを変えて、1はド、2はレのように、ドレミファソラシドにしてみてはと言うと、それは全くコストを掛けずにできるということでした。数字で表示されるだけだった計算の答えも、見える数字といっしょに、12だったら「ド・レ」、135だっから「ド・ミ・ソ」というように、音でも知らせるようにしたのです。これで、目の見えない子どもたちにも計算機能が使える、より楽しいレジスターになりました。このレジスターのシリーズはその後7〜8年に渡って発売されていますが、「ドレミ」の数字は今でも採用されています。

最近のお勧めは「黒ひげ博士 ビリビリ危機一髪」でしょうか。これは、剣を穴に刺し込むとおもしろい音がするのに加え、危険地帯の近くに刺し込むとビリビリ振動してスリルを盛り上げます。目の見えない子どもたちだけでなく、音を聴くことのできない耳の聞こえない子どもたちも、そしてもちろん目や耳に障害のない人も、みんなが「音」や「振動」で、スリルをより楽しく実感できます。

「おえかきできちゃうおしゃべりあいうえお」では、おもちゃに貼って使える点字シールを作り、ご希望の方にお送りしています。英語は子どもの世界でも歌やTV番組が流行っていますから、英語で遊ぶおもちゃにも点字シールを付けたいね、ということで始めました。実際には、英語の「Good Morning」というボタンに対して、点字の「Good Morning」は長すぎて入りきらないので、「おはよう」と日本語で書いたり。「おはようはGood Morningっていうんだよ」ということが子どもに伝われば、点字シールがなくて遊べないよりはずっといいかな、と。「おはようがグッドモーニングっていうんだよ」ということから覚えてもらえればいいかな、とか。これはいろいろと試行錯誤した思い出深いおもちゃです。

 

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