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「ITのためのバリアフリー」と「バリアフリーのためのIT」を進めるために(3/6)

3. 音声出力地図システムの構想について

メディア変換技術として、音声合成や点字ディスプレイ視覚障害者がコンピューターを使う上での必須の技術として広く使われています。しかし、地図情報を伝えるためには、音声だけでは難しい部分があります。

ところが、視覚障害者の場合は中途失明の人が多く、点字が解読できる人は約20%といわれます。点字は漢字もすべてかなで表記するため、文字数が多くなります。そのため従来視覚障害者のための触地図では図との重なりを避けるために、文字情報については一部だけを表記しています。それでも一般の地図と同じ情報量を1枚の触地図では表示できないため、地形や地名など数枚の触地図になっています。

この触地図をコンピューターと組み合わせて必要な地図情報を音声で出力することができれば、点字が読めない人も今より多くの地図情報を得ることができます。情報バリアフリー研究室では、地図とパソコン、タッチパネルを組み合わせて、視覚障害者にわかりやすい音声出力地図システムをつくれないかと研究しています。タッチパネルは通常画面に付けて使うものですが、画面から外して使用します。パソコンもタッチパネルも世の中に出回っているものなので、これはハイテクというより、ある意味ローテクで開発できるシステムです。

触地図を載せたタッチパネルと制御用パソコンの写真
※写真 音声出力地図システムの外観

研究中のこのシステムでは、たとえば東京都内の山手線の路線図を入れた触地図を指でさわっていくと、29ある山手線の駅名を次々と音声で教えてくれます。従来の触地図では、全ての駅の情報を点字で示すことはスペース的にむずかしく、一部しか表示していないのです。パソコンでモードを切り替えることによって、鉄道の路線図、駅名、名称など音声で出力することが可能になります。

このシステムは、地理関係の地図だけでなく、駅や建物内部の図にも応用できます。人体図に応用すれば、指でさわりながら体の部位や、筋肉、血管などの位置を確認できるようになります。視覚障害がある人にとって、理科学の教育分野で活用できると思います。

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