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「ITのためのバリアフリー」と「バリアフリーのためのIT」を進めるために(2/6)

2. 高齢者のニーズ調査から見えてきたこと

高齢者は、視覚、聴覚、肢体などにおいて軽度の障害者とも考えられます。KDDI研究所にいたときのことですが、放送・通信機構(2000年当時、現在情報通信研究機構)から助成金をいただき、高齢者が毎日の生活で実際に困っていることについて900人規模の調査を実施しました。調査した項目は、移動、トイレ、放送・通信、買い物および商品などに関する問題点についてです。

移動についての調査結果では、階段を昇り降りするときに手すりは必要か、どちら側の手すりを使うかなど、世の中にデータとして出ていない細かなポイントについても調査しました。その結果、階段の昇り降りで手すりが必要な人は64%以上もいました。また特定の側でないと手すりが役にたたない人がいることもわかりました。エスカレーターを使えない人が4.8%いるという結果が出ました。

このような調査結果はインフラストラクチャーを整備していく上で役立つと考え、バリアフリーライフ研究会の調査結果のサイトに公開しています。

※バリアフリーライフ技術研究会の調査結果のサイト
http://ritshigulab.xsrv.jp/BFL/index.htm

高齢者になるとテレビ画面の字幕が消える前に読みきれないと聞いていたので、この調査ではテレビや映画の字幕に関しても意見を聞きました。55%が字幕を最後まで読めないという結果でした。洋画の字幕は読みきれないから観に行きたくないという声もありました。調査結果を参考に、情報処理をして消えた字幕を再表示するシステムについて研究しています。

字幕再表示システムの説明図 【図の内容】
※資料 字幕再表示システムのしくみ

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