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ICTを活用した「フルーエントトーク」が吃音克服の新たな道を示す

1 音声技術とヘルスケアの融合へ。ICTを活用した吃音訓練が誕生した背景

「フルーエントトーク」は、どのようなサービスなのでしょうか。

服部一郎さん(以下、服部):「フルーエントトーク」は、吃音症状の改善につながる訓練メニューを提供するWEBサービスです。

吃音の改善方法はいろいろありますが、ドリルのようなルーティンの訓練でコミュニケーションを円滑にする生きた言葉の使い方を習得することは難しいため、学校や実社会で生きた言葉を操ることが重要です。そこで、身体運動、聴覚刺激、発声を合わせて言語訓練「全体構造法」を実践されている新潟リハビリテーション大学 教授/言語聴覚士の道関京子先生の指導と監修で「フルーエントトーク」を開発しました。

道関先生が提唱する全体構造法は、五感を使って統合的な訓練を継続することが重要だとしています。その考え方に基づく「フルーエントトーク」は、パソコンやタブレットなどICT端末ならではの高品質の動画や画質、音声機能を最大限に活用し、視覚と聴覚に働きかける形で全体構造法を具体的な訓練に落とし込みました。

これは、言葉をおうむ返しするタイプの訓練とは一線を画しており、「多感覚器を通して刺激し言語機能を呼び戻す」という従来にはなかった訓練方法です。レクリエーションとして楽しめるように、飽きが来ない訓練メニューを意識してつくりました。

アニモの創業者でもある服部一郎さん

アニモの創業者でもある服部一郎さん

「フルーエントトーク」を開発した背景について教えてください。

服部:当社は富士通株式会社のベンチャー第一号企業として1994年8月に創業して以来、「音声技術の社会化」をスローガンに掲げ、「音・音声」をキーテクノロジーとしたソフトウェアやサービスを開発してきました。主力のソリューションは、コールセンターなどの業務サービス向け音声処理サーバーソフトウェアや、クラウド時代に対応した音声処理SaaSなどです。

ビジネスの支援だけでなく、ヘルスケア領域にも注力しており、音・音声と医療福祉の関りを常に追求してまいりました。「フルーエントトーク」以外にも、失語症の言語リハビリ支援システム「花鼓(はなつづみ)」や、認知症予防言語訓練支援のWEBサービス「リズミカルトーク」なども開発しています。

吃音の治療法は確立されておらず、症状に悩む人は言語聴覚士による言葉の訓練で克服を目指すケースがほとんどです。しかし、吃音の訓練を実施している病院は多くありません。「フルーエントトーク」は、インターネットを利用できる環境があれば、自宅でいつでも自由に訓練できます。

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