府中市の取り組みでみんチャレを利用した高齢者の反響はいかがでしょうか?
渋谷:アンケートを取ったところ、みんチャレを利用してみて、「歩くことを意識したか」については93%が「はい」、「アプリを継続したいか」は94%が「続けたい」との回答を得られました。東京都西東京市の参加者のデータでは、実際に、アプリを使い始めてから50日後には、全体の平均歩数が約1500アップしていました。講座ではじめてあった人同士ではありますが、同じ地域ということで、「リアルで集まって一緒にウォーキングに行きたい」という声もあります。
また、地域包括支援センターの職員の方から「高齢者の皆さんの見ている世界が変わってきている」という感想をいただきました。たとえば、スマートフォンで写真なんて撮ったことがない高齢者の方も、「被写体は何にしよう」「どんなアングルで撮ろう」と、これまでよりも外の景色に興味を持たれるようになったそうです。職員の方からは「これほどまでに高齢者の皆さんの見ている世界が変わってきている、と感じることはなかったので凄いことだ」とおっしゃっていただけました。その言葉で、みんチャレの効果や可能性を実感できました。
高齢者以外にも障害を持つ方などで、習慣化の必要性を感じている方に役立ちそうですね。
渋谷:ADHD(注意欠如・多動症)の方は、すでに使っていただいているケースが多いです。ADHDの特性として生活習慣を整えることに困難を抱えていることが多いので、1つ決めたことにコツコツ取り組むことを目標に活用されているようです。
今後、みんチャレを活用した高齢者支援をどのように行っていきたいとお考えでしょうか?
渋谷:いまはエーテンラボのメンバーが講師をしているのですが、今後は地域包括支援センターの職員だけでも、講座を続けられるようにしたいです。また、現在は福井県、宮城県、神奈川県の市町村と連携して、高齢者支援の取り組みを進めています。いまは高齢者支援にみんチャレを活用していただける自治体を増やしたいと活動しているところですが、いずれは高齢者の方のクチコミで、利用者が拡大していくことを目指しています。府中市と取り組んだ、みんチャレを活用したフレイル予防事業は、厚生労働省からも評価され「第 10回健康寿命をのばそう!アワード(介護予防・高齢者生活支援分野」で、厚生労働省老健局長 優良賞をいただくことができました。こうした評価を励みに、今後もみんチャレの利用者を増やすべく活動を展開していきたいと思っています。