最初に、「ONSEI」の開発経緯から教えてください。
増岡厳氏(以下、増岡):当社は、前身の会社から数えて20年あまり、医療機器の開発を手掛けています。たとえば、MRIの脳画像ビューワや認知機能検査実施支援システムなど、医療機関向けに販売している製品がほとんどです。医療機器というと、レントゲンやCTなどハードウェアをイメージされる方が多いかもしれませんが、当社はソフトウエア、つまり医療機器プログラムの会社です。
当社では「for peaceful aging」をテーマに掲げ「たとえ認知症になっても高齢者が穏やかに齢を重ねられる世の中」の実現に向けた貢献を目指しています。医療領域のみならず、近年は、ヘルスケア領域でも認知機能のチェックに対するニーズが高まりをみせています。たとえば、保険や金融機関など高齢者が何かを契約するときに、然るべき意思決定能力の有無をチェックしなければなりません。また、シルバー人材の活用が進む中で、採用する企業側も認知機能を事前に把握したうえで採用したいという要望もあります。
そこで、「認知機能が健常」であることを、素早く判断でき、かつ手軽に導入できるものを開発しようと考え、誕生したのが「ONSEI」です。