人それぞれ脳機能は異なりますが、アプリは個別対応も可能なのでしょうか?
遠山:まず、アプリでは個別に「認知機能テスト」や「脳トレ」の結果および操作ログデータを分析する事で、「認知機能」として「記憶」「判断」「集中」「考察」「高次」「計算」「把握」「注意」を細分化したチャートを作成することができます。そのため、アプリを利用すると、まずその人の弱いところを反映したチャートが作成されます。そのうえで、チャートのバランスが整うように、やるべきことをアプリが提案します。たとえば、「記憶」が低い人に対しては歩くこと、たんぱく質をとることをすすめます。提案内容は、記憶力が改善するというエビデンスに裏付けされているものになります。このような仕組みにより、使い続けることで個人の特性に応じて提案内容が変わります。
脳に効果があったかどうかは、どのような基準で判断されるのでしょうか?
遠山:アプリでは目標値を設定するのですが、脳機能の低い部分がより高くなるような目標値に設定して改善を図っていきます。その際に、『脳にいいアプリ』のユーザー5万人のデータを反映して、提案内容の改善に充てています。たとえば、アプリを利用して以来、記憶力が向上している人がいたとしたら、普段どのような活動しているのかを分析します。そして、記憶力が低い人に対して、向上している人の活動を提案してみる場合もあります。ちなみに、アプリを使う前に脳の MRI 検査を行い、約1カ月間使ったあとに、どのような変化が見られるかを検証した際に、96%の人に脳の灰白質(かいはくしつ)の増加が確認されました。
脳機能が向上すると、実感が得られるものでしょうか?
遠山:ユーザーの方から、「頭がシャキッとしてきた」という報告をいただくことはよくあります。あとは、計算がすごく苦手だったけれど、早くできるようになってきたという声も耳にします。おそらくご自身で自覚できるのだろうと思いますし、ご家族からも「しっかりしてきた」と言われることもあるようです。
アプリの利用による脳に関する機能向上の効果は数字からみても明らかだ