実際の指導の現場では、お子さんがどの程度理解して端末を操作しているのか、偶発的なことなのかを見極めながら実践を積み重ねていきます。私は、コミュニケーションの手段を持たない子が、端末を利用することで意思を伝えることができ、少なくとも嫌なのか、好きなのか、どうしたいのかを表現できる手段を持って社会に出してあげたいと思っています。いつも一緒にいる先生だけが理解できるというのではなく、初めて会う第三者でも、その子の意思をとらえられるようにしておくべきだと思っています。そのために、タブレットをはじめとした端末を利用することは大変有効だと考えています。
以前、魔法のランププロジェクトの成果報告会に参加いただいた文科省の審議官の方からも、「もはや、特別支援学校や学級で端末を使っていくのは当たり前になりましたね」と言っていただき、その当たり前が学校だけではなく社会に出てからも使えるようにということで、就学奨励金という制度を作っていただきました。今の高校二年生以下はその制度によってタブレットを購入できています。しかし中には、経済的な理由から、現在も将来的にも購入の機会はないと思われるご家庭もあります。必要な場合に端末があるのは望ましいことですが、それを得ることが難しいのであれば、絵カードや五十音表を指さして意思を表していくことをあきらめないということも視野にいれ、対応していきたいと考えています。
タブレットを使って国語の学習をする子