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眼科医による視覚障がい者のためのタブレット活用支援(3/5)

3 iPadの活用法

  ロービジョンの方向けの具体的なiPadの活用例をお話します。これは私が実際に患者さんに指導している内容です。iPadはそれ自体がカメラ機能や読み上げ機能を持っています。また画面を指でズームできる機能も非常に有用です。

  カメラ機能は、その場にあるものをロービジョンの方が把握するのに非常に有効です。iPadを使って写真にとった後、その画像を認識できる大きさまでズームすることが出来ます。ズームは、「ピンチアウト」と呼ばれる2本の指を画面において外側に広げる動作です。逆に縮小する場合は「ピンチイン」といって、2本の指を閉じるように動かします。こうして感覚的に操作できるのがタブレット端末の大きな強みです。以前は、虫眼鏡を使って拡大するケースなどがありましたが、虫眼鏡の場合は倍率が固定のままで拡大縮小が出来ません。

  カメラだけでなく、スクリーンショットといってiPadの画面を画像として保存することも出来ます。保存したその画像を写真同様に拡大すれば、例えばインターネット上の情報を読むことも可能になります。

  iPadには「Voice over」という読み上げ機能がついています。画面上のタップした箇所を音声で読み上げてくれる機能です。「Voice over」を使うことで、ロービジョンの方が画面の表示を認識しやすくなります。

  iTuneStoreで配信されているアプリを使えば、活用の幅が大きく広がります。弊社では、アプリの開発などは行っておりませんが、他社からリリースされたアプリで有用なものが多く活用しています。特に読書機能は飛躍的に充実すると思います。「i文庫HD」や「kindle」といった図書アプリでは、電子書籍を読むことが出来ます。電子書籍で本を読むメリットは、ロービジョンの方がより読みやすい体裁に変更できることです。明朝体をゴシック体にしたり、白地に黒い文字のところ、反転して黒字に白い文字にしたり、背景をセピア色に変えたりすることが出来ます。行間や文字を大きくすることも容易です。いわば情報が目に合わせて変化してくれるので、紙の書籍よりも大幅に読書体験が充実します。

電子書籍は、弱視の方でも読みやすいように、書体や文字の大きさを変えることが出来る。白と黒を逆転したり、セピア色にするなど色みを変えることも可能。この写真は「kindle」の例を示す図
  電子書籍は、弱視の方でも読みやすいように、書体や文字の大きさを変えることが出来る。
白と黒を逆転したり、セピア色にするなど色みを変えることも可能。この写真は「kindle」の例を示す図

  また、「Voice Of DAISY」というアプリは、音声図書「DAISY」をiPadで再生できるアプリです。これにより、iPadで音声図書を読むことが出来ます。

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