ゲームを楽しみながら手話学習を行う「遊ぶ」モードの画面
かねてより「移動通信事業者として、障がいのある方にもコミュニケーションを図りやすい環境や手段を提供することも必要だ」と考えていたので、手話学習アプリケーションの構想自体は元々、持っていたのです。
そんな中、2012年10月に開催された社内の「社会に貢献するビジネスアイデアコンテスト」で、応募203件のアイデアの中から優秀賞に選ばれたことでプロジェクト化に至りました。翌月、サービス化に向けて具体的な作業を開始。当初は詳細部分までは詰めておらず、いざ開発となるといろいろと課題も浮き彫りになりました。そこで、まず、専門の大学教授や手話使用者、学習者への徹底的なヒアリングをしました。
手話を学ぶ上での課題や重要点はどこにあるのか? これまでの教材で苦労している点はどこか? 出てきたのは「教材で手話を見るのと、実際とは見え方が異なるので学びにくい」という声でした。
既存の学習ソフトや紙ベースの教材は正面、つまり受け手側からのビジュアルのものしかなく、それでは主体となる話者からの見え方と違うので学習のネックになっていると。そんな意見を聞いているうちに、手話の動きがさまざまな角度に変えられる3Dアニメーションでの手話が効果的ではないかと考えるようになりました。