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聴覚障がい者に情報提供するスマートグラス(2/4)

2 災害時情報支援システムの実証実験

  災害時の情報バリアフリーの研究をされている静岡福祉大学が、このMOVERIOの特徴に着目され、2012年8月に、災害時に聴覚障害をサポートする手段としてのIT機器の実証実験を行いました。本実証実験には、静岡福祉大学、セイコーエプソンをはじめ、「字幕表示アプリケーション」※3を開発した新日鉄住金ソリューションズ株式会社、パソコン文字通訳などで聴覚障がい者らをサポートしている特定非営利活動法人の長野サマライズ・センターが参加しました。

  実験ではMOVERIO BT-100のほか、スマートフォンやタブレット端末も使われ、静岡福祉大学の学生たちも参加して行われました。具体的な実験内容は、情報提供者がパソコンに入力した、避難指示の文章や避難ルートの地図などの文字・画像情報をWiFiで飛ばしてMOVERIOに表示し、装着した学生たちに教室などを移動してもらうというものです。

  その結果、MOVERIOでは外部の景色と避難誘導情報が同時に見えており、センサー機能の活用により、自分が向いている方向も分かるので、安心して迅速に避難できることが実証できました。また、手に機器を持っていないため、避難誘導などの支援をする介護者は両手を使って、車いすやストレッチャーを押して移動することができ、安全性が高くなるというハンズフリーの利点も確認できました。一方、参加者からはスマートフォンなどの場合は、画面を見るために何度も立ち止まらなければならず、動きながらの使用は今でいう「歩きスマホ」状態になり、避難時の騒音等で足音などの物音が聞こえない状況下では、周囲の状況が分からず、肩がぶつかったりして、不安だという声がありました。

【用語解説】
 ※3:字幕表示アプリケーション
 映画の字幕表示のように、MOVERIOの装着者が実際に視認している画面に文字情報などを表示させるアプリケーション。

実証実験のイメージ
  実証実験のイメージ

静岡福祉大学で行われた実証実験の様子
  静岡福祉大学で行われた実証実験の様子

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