パソコン要約筆記では文字が活字となって表示され、文字の大きさや行間も設定しておくことができますから、手書きの文字よりは読みやすいというメリットがあります。しかし手書きの場合は、文字のサイズを変えることによって情報の大切さが伝わることもあります。パソコンを使う場合は同じ文字サイズを使うので、大切な情報が埋もれてしまわないよう、短めの文章で表現するようにしています。
表示の特長は、短い文章でつないでいくことです。1文の文字数は20文字以内で伝えていきます。画面に表示する1行は13〜14文字、6行程度を目安にして、1文は1行半から2行以内になるようにしています。「何が、どうした」という短文主体で構成します。読みやすさを生かすような、文字のサイズや行間を設定することも大切です。
手書きの要約筆記の場合は、OHPで書いている文字を同時進行で見ることができますが、パソコン要約筆記の場合は、文字の変換が見えないIPtalkというソフトを使っているので、文節の区切りごとに画面に出てきます。変換を確定させると、一定の文節が出てくるわけです。話し手のペースに合わせて一定のリズムで文字を出すこと、つまり利用者が前文を読み終わって次の文章が読みたいと思ったときのタイミングで出すことが求められます。
タッチタイプに習熟していることは必須条件です。ミスタイプが多かったり、入力や漢字変換に時間がかかっていると、話に追いつかなくなってしまいます。ペースに追いつくために、よく使う言葉やその日の話の内容に使われそうな言葉などについては、単語登録や短縮登録という方法も使います。
パソコン要約筆記の派遣については、2時間くらいの講座に要約筆記を依頼された場合、4人1チームで担当します。現場では、1人7分〜10分担当して交代します。各自、会場に自分のパソコンを持参します。
入力した文字は、大体はスクリーンを使って映し出します。入力者のパソコンから表示用のパソコンへ、さらにスクリーンへとつないで、情報を送ります。
パソコン要約筆記の場合はさまざまな機器が必要なので、事前に依頼者と会場のセッティングについて入念な打ち合わせを行うことが必要です。当日アクシデントが起きてうまくつながらないこともありますが、そうした場面でも利用者が情報から取り残されないように努めなければなりません。
※パソコン要約筆記の講習会で
練習のためにIPtalkの画面も映し出している
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原本作成日: 2007年1月12日; 更新日: 2019年8月20日;