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現在位置: トップページ > トピック記事 > 情報バリアフリー全般 > ICTを活用したい障害者と活動できる人材の育成

パソコンなどのICTを活用したい障害者と共に考え、
活動することのできる人材の育成が必要です(5/6)

5. ICTを使いたい障害者を支える福祉・医療専門職の育成について

社会福祉学科では社会福祉士を目指す学生たちに「情報バリアフリー論」とか「福祉用具の知識」などを教えています。学生の多くは障害者と接する機会が少ないため、まず障害のある人たちはどういう人たちなのかというところから講義を始めます。障害のある人が何に困っているかもわかりません。そのため、具体的な事例をあげて説明していきます。目が見えないからといって、全ての文字を点字に置き換えてはいけない。点字が読める視覚障害者はそんなに多くない。目が見えない人たちはどういう状況なのか、弱視の体験などを通して新しい発見をさせていき、障害に対する固定概念を外していきます。

また体が動かないということでも、ただ体が動かないだけでなく、たとえば脊髄損傷の人たちは感覚障害もあり、床ずれ(褥瘡)のような二次障害を起こすことも説明します。パソコンが使いたいからといって一日中車いすの上でパソコンに向かわせるのは健康にもよくないのです。そういう知識を持っていれば現場に出たときに注意することができます。

障害のある人たちにとって生活場面で道具がどういう意味を持つのか、導入する際の留意事項などを覚えていってもらいたい。実際にパソコンや操作のための特殊なインタフェースを導入するのは技術者でいいと思いますが、導入するまでの間に利用者にはどういうニーズがあるのかとか、じゃあそのニーズを解決するためには、どんな道具を提供すればいいのか。医療や福祉の専門職が現場に出たときには、そういう知識も持っていないといけないと思います。

障害のある人たちが「インターネットがやりたい」と言ったときに、「あなたは手が動かないから無理です」と言わないような人材を育てる必要があります。最近は障害に応じたさまざまなパソコンを操作するためのインタフェースがあり、インターネットのできる環境があるのです。それらの情報をしっかりと認識しておくことがもとめられます。困ったら誰かに連絡をすればいいのです。サポートしてくれるところを知っていれば解決することができるのです。

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