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失語症者の社会参画を後押ししたい。換言困難をサポートするICT端末アプリ「喚語屋言兵衛」

1 開発のきっかけは失語症を発症した知人の存在

我々は広告の制作会社で、私自身もグラフィックデザイナーとして長年仕事をしていました。そのため、もともと失語症について詳しかったわけではありません。にもかかわらず、失語症の支援ツールを開発しようと思ったのは、知人が罹患したことがきっかけです。その知人は大手企業の支社長だったのですが、脳梗塞をきっかけに失語症を発症してしまったそうです。

それからしばらくして、身内の方から失語症の訓練にまつわる話を聞く機会がありました。訓練では、「絵カード」と呼ばれる、かるたのようなカードを使っていたようですが、図柄をはじめ訓練の内容も、幼稚園の子供が言葉を覚える練習をするようなもので、知人も「こんな子供っぽいことはしたくない」と投げ出してしまったこともあったといいます。

失語症については誤解されがちですが、人間関係の認識や判断力、記憶など知的な能力は損なわれていません。そのため、症状については「言葉が通じない国にいるようなもの」と表現されます。つまり上手く言葉を操れないだけで、本人の精神年齢が幼くなるわけではないのです。そのため、知人も失語症のストレスだけではなく、意思疎通のための訓練に使用するツールのレベルが、自分には不相応と感じてしまったのかもしません。

そこで、我々のデザインに関する知見を活かして、大人も違和感なく訓練でき、また実生活でも活用できるコミュニケーション支援ツールを作れないかと考えました。しかし、失語症は全く知らない分野とあって、専門家に助言をいただこうと、失語症に詳しい愛知県立大学教育福祉学部教授で言語聴覚士の吉川雅博さん、身内に失語症の方を持つ株式会社言語生活サポートセンター代表取締役の園田尚美さんにアドバイザーを依頼し開発に協力してもらいました。お二方とも失語症者の生活環境向上を目指して尽力されているので、多角的な視点でアドバイスをいただけたことで、アプリケーションの完成度の高さにつながりました。

明さんの決断から約1年、2016年12月から「喚語屋言兵衛」の販売を開始した
  明さんの決断から約1年、2016年12月から「喚語屋言兵衛」の販売を開始した

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