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日本で唯一の視覚障害者専用放送局 JBS日本福祉放送(3/5)

3 現在の放送内容

オンエア前の準備をする音訳ボランティア
  オンエア前の準備をする音訳ボランティア

オンエア中のスタジオ
  オンエア中のスタジオ

  ラジオ放送開始から25年以上経過しました。この間、衛星を使って、試験的にラジオ放送やテレビ放送を行ったこともありますが、現在は、USENの有線回線を使って聴く放送と、USENが運営するCS衛星経由の放送サービス「SOUND PLANET」で聴く方法、そして、インターネットラジオの3つの方法があります。USENを利用する場合、受信機はレンタルで、回線の設置などの初期費用として3万円必要ですが、通常の利用料金は1カ月6000円のところ、視覚障害者の受信については3000円にしてもらっています。インターネットラジオは2003年から始めました。基本的には誰でも聴けますが、試聴後に登録するようお願いしています。こちらは無料です。東京のスタジオは資金的な問題から約4年前に閉鎖しており、現在は大阪市からの放送のみです。

JBSの番組表
  JBSの番組表

  通常の番組は、午前8時から午後11時ごろまで放送しています。よく聴かれているのは生放送で行う午前10時から正午までの2時間の「今日の朝刊」と、夕方4時半から午後6時までの1時間半の「今日の夕刊」です。「今日の朝刊」は朝日、読売、日経の3つの新聞を、3人がそれぞれを担当してほぼ全ページを読みます。重なった記事は省くこともありますが、論調の違いもあるので、各紙とも1面はすべて読んでいます。読み上げることを、私たちは「朗読」ではなく、「音訳」と呼んでいます。朗読は読む人が解釈して、明るく、あるいは悲しく読みますが、新聞記事は聴く人が解釈するわけで、数字も多いので、ずっと聴いていても耐えられる読み方を心がけてもらっています。「夕刊」も手分けして音訳しますが、人手が足らないときなどは、90分間、1人で読むこともあります。「朝刊」は午後、「夕刊」は夜に再放送も行っています。

  音訳しているのはすべてボランティアです。現在は約60人がシフト表を作って、交代で担当しています。若干の下読みの時間はありますが、ほぼ初見で読まなければならず、生放送で、しかも音だけが頼りですから、大変です。音訳する人は言葉や日本語に興味、関心がある方が多く、応募してきた人を独自に養成しています。以前は何人かを集めて講座などを開設していましたが、今は希望者をその都度、先輩が訓練する方式が多くなっています。

  阪神・淡路大震災の時は大変でした。それまでは「今日の朝刊」は大阪から、「夕刊」は東京から放送していましたが、すべて東京から放送しなければならなくなりました。スタジオに来る時間帯も異なりますし、人員も多く必要になるので、音訳ボランティアの方たちにはご苦労をお掛けしました。おかげで、何とか放送が続けられました。

  新聞音訳のほか、パソコンなどの技術を解説する「IT情報アップデート」や新刊の紹介や活字出版の動きなどを伝える「新刊ラジオ」も人気のある番組です。点字は基本的には一つ一つの音を表しますが、漢字を表すこともできる方式が二つあり、そのうちのひとつを使って、ニュースに使われる漢字の解説なども交えて説明する番組を「六点漢字入門」として放送しています。また、視覚障害者が結成したバンドの演奏などを流す「鍋カツセットラジオ」やDJによる「増田太郎ミュージックシュタイン」という音楽番組もあります。

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