今後、「電話リレーサービス」をどのように発展させたいとお考えでしょうか。
石井:一つは、音声認識AIの実装です。我々がどこまで挑戦できるか分かりませんが、音声認識AIの技術を開発している企業や大学などと協力しながら、「電話リレーサービス」の機能を拡充できればと思っています。
もう一つは、手話通訳という仕事で生計を立てやすくしたいです。手話通訳を行う方は、配偶者の収入に頼っていたり、アルバイトしながら手話通訳をされていたりする方が多く、そして、少子高齢化の影響もあって担い手が減っています。学生時代に手話サークルで手話を使えるようになったにもかかわらず、就職して手話を辞める人も少なくありません。
「電話リレーサービス」の通訳オペレータとなることで家計を賄えるようになると、今後若い人も手話通訳を目指しやすくなるはずです。実際に仕事として成り立つのなら、手話を仕事にしたいと考えている人もいるようです。そのような方々の気持ちに応えられるようにすること、そして、多くの聴覚障害者や発話困難者の皆様に利用していただくために、「電話リレーサービス」の普及に取り組んでいきたいです。