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聴覚障害者の情報格差を手話と字幕で埋める「目で聴くテレビ」の挑戦

2 手話通訳はテレビのバリアフリー化を実現するための重要な要素

最近、字幕の付いたテレビ番組も充実してきましたが、手話の付いた放送番組の重要性はどのようなものでしょうか。

重田:手話は一つの言語であり、多くのろう者にとって第一言語です。例えば、日本語を第一言語とする日本人が、英語のテレビ番組を視聴しても、意味をすんなりと理解するのは難しいと思います。日本人にとって日本語が必要であることと同じように、ろう者にとって手話言語が必要です。ろう者は手話通訳によって内容をしっかりと理解できるようになります。

数十年前まで日本のろう学校では、手話教育が禁止されていて、代わりに口話教育が奨励されていました。ところが口話教育では、多くの人々が日本語を十分に習得できないという事態を招いてしまいました。一方、手話を習得すると情報を理解しやすいことも明らかになりました。このような背景もあり、情報保障の観点からテレビ放送においても手話を付加することが重要です。

また、手話は手だけで行うものと誤解されることがありますが、顔や体も使って表現します。手話通訳者は手指以外の要素も駆使して伝えますし、きこえない人自身が出演して情報を手話で伝える番組を制作する時には、手話が明確に伝わるように撮影します。字幕もきこえない人や弱視の盲ろう者などが理解しやすい大きさやフォントになるよう工夫して流しています。これはきこえない人自身が番組を制作するメリットです。

テレビ番組はのんびり見ていても理解できるものであるべきです。手話で情報が提供されれば、ろう者などきこえない人も安心して見ることができ、頑張って字幕を読解しなくてもよくなります。情報格差を埋めるためには、きこえる人と同じようにテレビを視聴できることが重要だと考えています。

リアルタイム手話放送の様子

リアルタイム手話放送の様子

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