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2022年2月から、実証事業を行っていると伺いました。
山田:はい。2月から9月末まで、堺市南区・大阪狭山市・河内長野市の50歳以上の住民約1000人にご協力いただき、タブレットを貸出して第1期の実証事業を行いました。
「50代は若すぎるのでは」と思われるかもしれませんが、この年代には一定数、頑なにスマホやタブレットを使用しない方がいらっしゃいます。なぜ使用しないのか伺うと、「詐欺や高額請求が怖い」、「うっかり変なところをタップしてしまったら嫌だ」とおっしゃいます。実証事業でお貸しするタブレットを使用して詐欺に遭うことはありませんから、まずはデジタル端末に触れていただき、本格的に利用できるようになるきっかけになれば、という思いがありましたね。
実証事業の具体的な流れと結果について教えてください。
山田:タブレットの貸出しに当たり、まず応募者の方に説明会に参加していただき、その後で私どもがフォローアップを行いました。初期登録のサポートをしたり、アプリの説明をしたり、無料で相談できるコールセンターも設置し、タブレットやアプリの使い方を覚えてもらえるよう努めました。ポータルサイトの画面は、カラートーンやフォントのサイズ、コンテンツを掲載する順番など、高齢者向けにサービスを提供している企業とアイデアを出し合いながら高齢者が使いやすいよう工夫しています。
それでも、デジタル端末に興味を持たない方はいらっしゃいます。ですが、大きな気づきや学びがありました。市役所のポータルサイトの画面上から、介護保険や週末のイベント情報を抜き出し、同じUIの中でアクセスできるようにしただけで非常に喜ばれたことも、その一つです。また、貸出期間が終了した後、ご自身でスマホを購入された方がいらっしゃいました。これには、周囲の方々も「絶対にスマホを持たなかったあの人が!?」と驚いていらっしゃいましたね。
ポータルサイトから誰でも知りたい情報に辿り着きやすいように画面に表示する情報を整理