これから、「あしらせ」をどのように改良していきたいとお考えでしょうか。
千野:具体的には、モーションセンサの小型化や防水性を高めることに取り組みたいです。その他のハードに関して言えば、我々は靴と一体型ではなく、どんな靴にも取り外しできるデバイスを目指しているので、成形は難しいところです。現在、国や自治体の視覚障害者団体の皆さんにも協力していただきながら、プロトタイプの改良を進めていますので、日常的に使いやすいように調整していきたいです。足の動きというのは、身体の動きの中でも非常に激しいので、正確な動作情報を収集できるように、センサの精度を高めたいです。ひいてはデータを収集して、歩行情報をナビゲーションに活かしていくということもできればと思います。
いまはBluetoothを活用されているとのことですが、次世代の通信に期待することはありますか?
千野:5Gによる測位に、とても期待しています。5G通信は高速・大容量に注目が集まっていますが、それだけではなく高精度に位置を特定することもできます。スマホで5G通信を使って、瞬時に位置情報を特定できれば、より正確で緻密なナビゲーションを実現できます。その意味でも、通信技術の向上は、「あしらせ」というプロダクトのアップデートに大きく関わってくると考えています。