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発達障害児の拠りどころに。「e-sports」を起点にした福祉のかたち

3 子どもたちとは“友達の延長”の距離感で接する

子どもたちと接するうえで、意識していることはありますか?

吉沢:あまり先生のようにならないことですね。どちらかというと、同じ趣味を共有できる友達の延長のような距離感を大切にしています。親と子、教師と生徒のような関係ですと、立場が上の人の意見や意思を通さないといけないという意識が働きやすいと思います。そのような上下関係よりも、まずはチームワークを学んでほしいと考えているんです。その中で多種多様な人たちと、横の連携でつながること、協力し合うこと、尊重することを育んでもらいたいですね。

その点、e-sportsの多くはチームスポーツですから、必然的にコミュニケーションが生まれます。特に学校生活の経験が少ないと、他の人とのコミュニケーションに慣れていないため、人に頼ることや相談することに苦手意識を抱きがちです。e-sportsを介在させることで、○○さんに相談しよう。という感覚が自然に身につきます。我々大人よりも、子どもたちのほうがPCのスペックや通信規格に詳しいので、いまは子ども同士で教えあっていますね。

学校教育とは一線を画したアプローチですね。

吉沢:そうかもしれません。最初はゲームの情報交換をする場ということで足を運ぶようになって、少しずつ他者と関係性を築けるようになっていっています。何に興味や関心を持つのか、子どもによって様々ですから、野球やサッカーなどのスポーツに没頭するように、e-sportsに没頭することも長い目で見ればいい経験になると思っています。

また、なかには突出した能力を持っている、ギフテットと呼ばれるような子どもも通っています。ある子は、中学生の頃から天才的なプログラミングスキルを持っていて、ゲームに集中したいからという理由で通信制高校を選択したそうです。先日edgesで、プログラミングについて学ぼうというカリキュラムを作ったのですが、その子に内容を考えてもらいました。私たちが何か決まったやり方を提示するのではなく、「この子は何に夢中になるのだろう、何に楽しさを感じるのだろう」ということを考え、きちんと気づいて、選択肢を提供できることが大事だと思っています。

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