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障害児向け「プログラミングの家庭教師」で子供たちの未来を切り拓く

3 プログラミング以外にも興味関心に応じてICT端末で授業

約1年間、家庭教師事業を展開してきましたが、保護者・子供からは高い評価をいただいています。訪問当初は、「ADHDなので座っていられないと思います」「発達障害でコミュニケーション能力に困難を抱えているため言葉遣いも汚いから失礼があるかもしれません」といった保護者から心配の声も多々いただいていました。しかし、これまでタブレットなどのICT端末を使った授業では、ほぼ全員が授業の1時間ずっと座っていますし、汚い言葉を投げかけられたこともほとんどなく、教えにくいと感じることはありませんでした。

こうした子供の変化に保護者の皆さんは、まさかこの子がと驚かれるのですが、理由としては「タブレットの操作が楽しいから」だと思います。たとえば、普段からタブレットでYouTubeを見ている生徒も多いので、YouTube動画を作成してみることもあります。あとは、「先生、面白いアプリない?」と聞かれることもあるので、紹介して遊びながら仕組みを伝えることもあります。

また、プログラミングに限らず興味関心が向いていることの背景にある技術や、その技術を使うことのリスクを伝えることもあります。たとえば、小学1年生はネットリテラシーを高めてもらうため、YouTube動画に載せない方がいい情報などから教えます。小学校高学年になってくると、実際に「アイムービー」といったソフトも使いながら、YouTube動画を制作することもあります。制作に際しては、ゲームを紹介する動画であれば、どうやったら面白く見せられるのかなど、相手の立場になって全体の流れを構成する力を身に付けてもらうようにしています。

プログラミングは中学生くらいから教えています。マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボのライフロング・キンダーガーデンというグループが作った、タブレットアプリのプログラミング教材「Scratch(スクラッチ)」を活用。この特長は「ビジュアルプログラミング」であること。コードにあたる日本語をドラッグ&ドロップで積み上げていくことで、その指示に応じてキャラクターや取り込んだ画像が動くため、視覚的にプログラミングの面白さを感じられるツールです。そして、高校生くらいになると、「WordPress」を活用したホームページ作りもします。テキストエディタでコードを書いてもらうこともあります。授業にあたっては、テキストや決まった学習内容はなく、本人の習熟度を見計らいながら進めています。

こちらが、プログラミング教材「Scratch」の画面
  こちらが、プログラミング教材「Scratch」の画面

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