【「通信の真空スポット!」 - ICT時代に「1bitの信号も届かない」】
現在は、一層盛んになりつつあるICTの時代です。ところが、最重度の盲ろう者は、1bitの通信さえも届かない、いわば「通信の真空スポット」に住んでいます。この場合の盲ろう者とは、目も耳も完全に不自由であり、また、中・高年齢になってからの中途障害者であり、触覚が鈍く、指先で点字を読めない人です。もし、1人住まいの盲ろう者が、お腹が痛くなって、知り合いの人に「お腹が痛い!すぐ来て下さい。」と連絡しようとしても、通信手段がないから、何の連絡もできないのです。
このような情報環境の人々を、このまま放置しながら、一般のICTを、どこまでも進歩させて行ってよいのだろうか。この問題解決の一部分を成功させたのが、ここで紹介する『点字の原理による筆談の電話「ヘレンケラースマホ」』なのです。
「ヘレン・ケラースマホ」は単体のアプリの名前ではなく、点字の入力アプリ「スマート点字」や、点字によってメッセージのやりとりを行うことのできる「Uni ChatX App」などの関連アプリの総称として使っています。なお、現在、盲ろう者、視覚障害者に関係ある研究を「ヘレンケラーシステム開発プロジェクト*1」で行なっています。
ヘレンケラースマホを操作する長谷川さん。タッチパネルの表示は見えなくても操作が可能。