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現在位置: トップページ > トピック記事 > 高齢者・障害者支援サービス・取組 > 難病者や重度障害者のコミュニケーションを支援するICT救助隊(5/5)

触地図自動作成システムtmacsの開発(5/5)

5 触地図作成サービスと今後の展望

 日本では、視覚障がい者や支援者からの依頼に応じて触地図を作成するサービスはなかったと思います。視覚障がい者本人や支援者で立体コピー現像機がない方たちのために、研究室では触地図作成送付サービスを試験運用しています。このWebサービスが公開されて以来、盲学校からは通学路の作成の依頼が来たり、個人の方からは自宅周辺の地図や、通勤・買い物のために使いたいと地図作成の依頼が来たりしました。

 現在の自動的なシステムでは、説明を十分に入れられない部分があります。現在地把握に役立つと思われる目立つ建物やお店を手作業で追加しています。また介助者にもわかるように一般の文字をうっすらと入れる取り組みもしています。現在は依頼数があまり多くないので、なんとかやっていますが、この作業にはとても手間と時間がかかります。

 イギリスには英国王立盲人協会(RNIB Royal National Institute for Blind)という団体があり、触地図作成サービスを提供しています。博物館内の展示物を知りたいというような要望にも応えているようです。今後は、日本でも触地図作成のサービスをどこか団体が担う体制になり、移管できたらよいと思っています。

 技術的な面についての今後の展望としては、より識別しやすい記号を実験で求めて入れていくつもりです。道路表示の混み具合については、もう少し自動化で整理できないか、また、名称の付いた大通りに対しては、道の名前を自動で入れられないかと考えています。その他介助者が読み取れるように一般の文字を薄く入れるしくみの自動化を目指していきます。

取材日:
2012年12月
取材協力:
新潟大学工学部福祉工学科渡辺研究室

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