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触地図自動作成システムtmacsの開発(4/5)

4 触地図の役割について

 触地図を利用した方たちからは、「行く道はわかっていたが、目的地の周辺にある店がわかってうれしい」、「道は90度の角度で曲がっているのだと思っていたが、違うことがわかり、道に迷っていた理由がわかった」、「地図があるからこそ、ここに行きたいと思える。それがないと連れていってくれるところだけになる」などという声が寄せられています。

 俯瞰して確認できて、触る部分を選んで能動的に探せるのが触地図の利点かと思います。触って地図を確認して、外出意欲がわくならば、触地図を手軽に入手できる手段を提供している役割を果たしているのではないかと思います。

 触地図だけをたよりに、視覚障がい者が未知の場所を一人で歩けるのかという疑問がありました。そこで、視覚障がい者2名にこの地図を持って、未知の場所を歩いてもらう実験をしたところ、うまくたどりつくことができました。事前に触地図を触って読み取っておき、ある程度勘のいい人であれば、触地図だけで行けるようになるかもしれません。しかし、全ての必要な情報を網羅しているわけではないので、人によっては難しいかと思います。GPSの音声手段や、行き方を言葉で詳細に伝える「ことばの道案内」のようなサービスを併用するとよいかと思います。

 視覚障がい用誘導ブロックの情報を入れてほしいという要望がありますが、元の地図に入っていないのでできないのです。現在インターネット上で、地理情報データを含んだ無料の地図を自由に活用できるようにするOpenstreetmapという世界規模のプロジェクトがあります。これを利用すると、参加者が点字ブロックなどの地図情報を自分でタグを作って入れることができます。それを触地図化できないかと、現在研究室で取り組んでいます。

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