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わさびの匂いで火災を知らせる臭気警報装置など
匂いで情報を伝える研究開発をしています(3/5)

3. 実証実験はどのような形で行なわれているのですか

わさび臭気発生装置の実証実験は、滋賀医科大学の精神科学講座の協力を得て実施しています。これまでに40人ほどの方々に実証実験を受けていただいています。

1回の実験では、聴覚障害者2名と健聴者2名に実験を行ないます。夜9時に問診を受けていただき、11時に就寝してもらいます。その後脳波や筋電図などの信号を分析して眠っているかどうかを確認します。確認ができたところで、まず臭気を含まない気体を室内に噴霧します。再度睡眠しているかどうかを確認してから、今度はわさびの臭気を含んだ気体を噴霧します。そして、被験者が睡眠から覚醒するまでの時間を計ります。

実験結果によると、わさびの匂いは噴射してから、およそ10秒から2分後には過去に起床されなかった1人を除きすべての人が覚醒しています。聴覚障害のある方は、健聴者と比べて目覚めるまでの時間が約2倍早いという結果が出ています。匂いに対する反応の早さには驚いています。

実証実験は被験者が眠らないとできないわけですが、なかには病院のベッドで寝付けない方もいます。せっかく実験会場まで来ていただいたのに、データが取れないこともあるのは残念です。

嗅覚の遺伝子は他の感覚の遺伝子よりも圧倒的に多いといわれます。また、危険を感じるときは嗅覚が一番早いともいわれています。ざわざわとした風の流れをまず嗅覚で感じるからという説もあります。人間はそもそもすばらしい嗅覚の能力を持っているのですが、目と耳から情報を受け取ることがより発達してしまったために、嗅覚をあまり使わなくなっているのではないでしょうか。

現在実験を繰り返しながら、室内に噴霧するわさびの量を調整しています。容量が1本35ml入りのものを実験では使用していますが、被験者はだいたい1、2本で目覚めています。

2004年6月に消防法が改正され、住宅用火災警報器設置の義務化が始まりました。新築の建物は2006年6月から、既存の建物については、2011年6月1日までに設置することが義務付けられています。義務化となる期限や設置場所などについてはそれぞれの自治体の火災予防条例で決められています。

臭気発生装置は2009年の発売を目指して、研究が進んでいます。単体で利用できるものではないので、火災報知器とセットで販売させていただく予定です。すでにユニバーサルルームのあるホテルなどからの問い合わせが増えています。

わさび臭気発生装置は、耳が遠くなっている高齢の方たちにも有効です。視覚障害者、聴覚障害者、高齢者などがいらっしゃるご家庭などでぜひ設置していただきたいと考えています。

臭気発生装置の写真
※写真2 実証実験中の臭気発生装置
写真左がわさびの臭気が入ったスプレー。写真中央の容器に取り付けて使用する。

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