障害のある方が、その障害に応じて端末を持つことにより、いろいろなバリアフリーが実現できるという「ユニバーサルリモートコンソール」という規格がアメリカにあります。パソコンもその端末のひとつになります。そして、データとして字幕を持つことで映画館ではスクリーンに字幕を出すのではなく、将来的には眼鏡に取り付けたモニターやゲーム端末、携帯でも字幕を見られるという形が実現すれば、障害者も健常者も皆で一緒に同じ映画を楽しめます。
ヘッドマウントディスプレイの分野で商品化しているのはスカラ社の「テレグラス」。医学用にも既に使われていますが、規格化された「テンプルキャッチ」というのを自分のメガネフレームに取り付けると、テレグラスを簡単に付けることが出来ます。テレグラスは完全に目を覆わないタイプのTVモニターですので、情報端末と接続することにより、映画を観ながら字幕を表示することも可能です。写真の「テレグラスT3」は28インチの画面が、2メートル先の距離に見える設定になっていますが、技術的にはスクリーンまで焦点をもっていくことも可能ということです。こういった仕組みも実験を重ねながら、将来的にweb-shakeとの連携を考えています。写真は片目タイプですが、両目タイプのテレグラスもすでに商品化されています。
※写真2 テレグラスT3
※「テレグラス」についてのホームページ スカラ株式会社
http://www.scalar.co.jp/
日本では、2006年に国立能楽堂の座席に組み込まれた液晶画面に字幕が表示されるようになりました。台詞だけでなく、物語の背景や人物の説明などの解説も見ることができ、不要な人は表示を消すことができるそうです。映画館ではまだ座席字幕の設備は進んでいないと思います。字幕を表示するために映画館の設備を改造するのは大変です。テレグラスのように必要な人が必要なときに字幕を見られる端末が求められていると思います。今後は映画館で字幕データを飛ばすなどして見られるようになるとよいと考えています。
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原本作成日: 2008年5月20日; 更新日: 2019年8月20日;