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さわるミュージアムへの取り組み(2/5)

2. 触文化展に注目が集まりましたが?

目はとても便利なものです。晴眼者はまず目からのイメージで見たものを判断します。ところが視覚障害者は、触覚によって判断します。視覚障害者は、「触文化」の世界にいるのです。視覚障害者だけでなく、晴眼者の方にも、さわらなければわからない事実、さわって知る物のおもしろさをぜひ体験していただきたい。さわる文化の豊かさや奥深さを、すべての来館者に味わっていただきたいと考えるようになりました。

そこで企画したのが、「さわる文字、さわる世界」―触文化が創り出すユニバーサル・ミュージアム―です。誰もが楽しめるミュージアムの第一歩にしようと思いました。2006年3月から9月まで開催したこの企画展には、日本で点字以前に使われていた浮き出し文字板や、凸形地球儀、神社の模型、仏像、バードカービングなどさわって楽しめるものを70点ほど展示しました。アメリカから借り出してきたものもありました。この展覧会は、斬新な展覧会として各マスコミで取り上げられて評判になり、たくさんの方に来場いただき、みなさんにさわる世界の楽しさに目を向けていただくことができました。

神社の模型の写真
※写真3 展覧会の入り口に置かれた神社の模型

プロジェクトの企画を進めていく上で、こだわったことがありました。それは、展覧会で配布するパンフレットです。点字と通常の文字を併記し、晴眼者と視覚障害者が一緒に使えるものにしたのです。表面には写真と通常文字だけでなく、点字の説明を入れたり、文字を浮き出させてさわれるように工夫しました。中面は写真と通常の文字の説明文を入れましたが、裏面には点字の50音表を入れました。
両者で使えるパンフレットだったら、全く同じ情報が入っていると思われるでしょうが、点字の一覧表を入れても点字を使っている人にとっては面白くありません。そこで、点字の一覧表は印刷で入れて、その上には、展示で中面の展示品の写真の説明をしました。
晴眼者と視覚障害者との間で、「ここには何が書いてあるの?」とコミュニケーションするきっかけとなってほしいと思ったからです。珍しかったせいもあるでしょうが、パンフレットも大変好評でした。

視覚障害のある人には、博物館は見る場所だからつまらないという先入観を払拭していただけたかと思います。博物館は意外とおもしろい、行ってみる価値があると、出かけていく勇気を持っていただけたのだったらうれしいです。

パンフレット表面の写真 パンフレット中面の写真
※写真4 展覧会「さわる文字、さわる世界」のパンフレット 左(最初)−表面 右(次)−中面

パンフレット裏面の写真
※写真5 展覧会「さわる文字、さわる世界」のパンフレット 裏面

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