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現在位置: トップページ > トピック記事 > 情報バリアフリー全般 > 「PICOTシンボル」の開発

コミュニケーションに困難のある人たちのために、
「PICOTシンボル」を開発し支援を続けています(4/6)

4. 視覚支援としての使い方もされているのですか

『PICOTコミュニケーションブック』は、特別支援学校の現場やご家庭などで広く使われています。そのほかコミュニケーション障がいのある方の訓練や治療にかかわる言語聴覚士などに利用されています。また最近では幼稚園や保育園などで利用が広がっています。発達の遅れや心配のあるお子さんの早期療育や生活面での支援のために使われているようです。

発達に障がいがあるお子さんは、行動の切り替え、場所の移動、予定の変更に対して不安や混乱を示すことがあるため、わかりやすく教えてあげる必要がある子が結構います。たとえば、1.学校に行く、2.家に帰る、3.今日は○○センターに行くなどと絵記号を切り取って組み合わせて貼り、1日のスケジュールを親御さんが手作りして、ランドセルの裏側に貼ったり、ポケットに入れたりして、外出先でも子どもが1日のスケジュールがわかるように工夫しています。ご自宅でも玄関や冷蔵庫などに貼られているようです。

また学校や施設などで、場所を伝えるためのシンボルマークとしても使われています。トイレや教室の入口に絵記号を掲げるだけでその場所がわかりますから、知らない所でも安心して間違えないようになります。

このような使い方をする場合は、コミュニケーション支援というよりも、絵記号が伝えるメッセージを並べて、子どもの時間、空間、環境などをわかりやすくしてあげる。目に見えないことを確実に順序立てて示してあげるわけです。この場合はコミュニケーション支援というより、目で見てわかりやすくしてあげる「視覚支援」という使い方です。

『PICOTコミュニケーションブック』は初版発行以来多くの方から注文をいただき、これまでの販売部数は1万部を超えました。反響の大きさにびっくりしています。絵記号をコピーしたり、切り抜いたりして利用されている方が多いことから、絵記号をシールにした『PICOTシール集』も発売しています。ご希望の方はNPO法人AACサポート(※連絡先は最後のページ)までご連絡ください。

日本に住む外国人のなかには、コミュニケーション支援が必要な人たちもいます。長野県をはじめ全国各地にポルトガル語を母国語とするブラジル国籍の子どもがたくさんいます。そうした子どもたちやご家族の日本語学習、就学や生活支援のツールとして利用してもらおうと、『PICOTコミュニケーションブック ポルトガル語対応版』を2008年10月に発売しました。絵記号は日本語版と全く同じですが、それぞれの記号に日本語とポルトガル語の文字が添えられています。最近インドネシア語でも発行したいという研究者からの要望があり、近い将来インドネシア語対応版も実現すると思います。

「すき gostar」「たのしい alegre」などのPICOTシンボルが並ぶ『PICOTコミュニケーションブック ポルトガル語対応版』の写真
※写真3 『PICOTコミュニケーションブック ポルトガル語対応版』

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