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コミュニケーションに困難のある人たちのために、
「PICOTシンボル」を開発し支援を続けています(1/6)

1. 会話が困難な人へのコミュニケーション支援について

私の専門分野は障害児教育で、言葉の理解や発話に困難のある人のコミュニケーション支援について研究を続けています。

言葉を学んだり、使ったりできずに人とのコミュニケーションがうまくとれない原因は、発達の遅れや障がい、病気、事故、加齢などさまざまな原因によります。その症状は、話し言葉をコミュニケーションにうまく使えなかったり、全く話せなかったり、複雑な言葉の意味理解が難しいなど、人によってさまざまです。広汎性発達障害(自閉症)の方は、言葉のやりとりができていても相手の気持ちや会話の文脈を理解することが難しいため全くコミュニケーションになっていないこともあります。

長野県内で行なったアンケート調査の結果によれば、特別支援学校に通っている子どもたちの約4人に1人は話し言葉によるコミュニケーションが難しいため、何らかの支援が必要でした。このようにコミュニケーションに困難のある人々の可能性を引き出し、自分の感情や意志をメッセージとして表現できるように支援する方法を補助代替コミュニケーション(AAC)とよんでいます。

5年前に私の研究室が中心となり、言葉による会話が困難な方のコミュニケーションを補助するツールとして、「PICOTシンボル」を開発しました。日常生活で使う単語やフレーズをカラーイラストで表現した絵記号のセットです。目で見てわかりやすいデザインのため、指で絵記号をさし示すことによって本人が考えていることを他の人に伝えるコミュニケーションツールとして簡単に使うことができます。意外に思われるかも知れませんが、開発した時点でこのような絵記号集は日本では他にありませんでした。

日本でよく知られている絵記号には、カナダで開発されたPICがあります。PICOTシンボルよりも抽象度の高い記号ですが、黒地に白でデザインされ、視認性、弁別性が高いという特徴があります。また、日本では世界に向けてリーダーシップを取り、経済産業省が2006年に高齢者や障がい者のコミュニケーション支援用絵記号のデザイン原則をJIS規格化し、デザインの参考資料としてPICの絵記号が紹介されています。

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