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現在位置: トップページ > トピック記事 > 情報バリアフリー全般 > 人の不自由さを助けて幸せにするロボット技術で未来をつくる

人の不自由さを助けて幸せにする
ロボット技術で未来をつくる(5/5)

5. 「未来の技術」と「先端技術」の関係について

先端技術の開発ばかりしていても、世の中に普及しなければ、「未来の技術」にはなりません。すぐれた技術ということと、使う人間にとって使い勝手がいいかは別です。

技術が普及するということは、実は技術の外にあります。たとえば携帯電話の普及のように、それが使われて自然な文化になっていくことが大切なのです。もし近々に道路交通法が改正されて8本足のロボットが200万円で売られたとしても誰も買わないと思います。まだ町中を走って、自然な文化になっていないからです。

技術の普及には2つのステップがあると思います。ひとつは、ロボット技術が気づいたら自分の知っているものの中に入っていたというように、知能化された機械が世の中にあって、それが自然な世の中になること。もうひとつはメディアミックスでしょう。技術以外のところから攻めていく必要があります。これは技術者が商品を開発するメーカーと一緒に考えていかなければなりません。便利だが見たことがなくてこんなの誰も買わないだろうというロボットでも、テレビ番組の中で人気のある俳優が使った瞬間に世の中に広まることがあるかもしれないとも思います。

ロボットの普及と将来の開発者を育てたいと考え、ロボット解体ショーを年間100箇所ほど開催したこともあります。部品・加工代だけで3000万円かかったmorph3を解体して、ロボット内部の構造を来場者に見ていただきます。ロボットの未来のためには、子どもたちに体験を通して教えることが効果的です。

少子高齢化は日本がかかえる大きな社会問題です。首から上は元気だけれど、首から下が不自由という方が今後増えていくでしょう。介護、福祉、医療の場などで人の尊厳を守りながら動くロボットを今後5年から10年のあいだに使えるようにすることが、ロボット技術に携わる人間にとっては義務だと考えています。

千葉工業大学 未来ロボット技術研究センター所長 古田貴之さんの写真

取材日:
2008年2月19日
取材協力:
千葉工業大学 未来ロボット技術研究センター
http://www.furo.org/
取材者:
独立行政法人 情報通信研究機構 情報通信振興部門 バリアフリーサイト

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