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誰も取り残さない社会の実現に不可欠な「ウェブアクセシビリティ」の基本を解説

3 JIS規格の方針策定と試験の実施

実際にJIS規格に基づいてウェブアクセシビリティに対処する時、どのようなプロセスになりますか?

太田:ウェブアクセシビリティ基盤委員会としては、最初に「このサイトはこのような目的を持っているので、ここまでのアクセシビリティを達成します」ということを決めてから取り組んで欲しいと言っています。適合レベルとしては、レベルAAAはとても厳しい基準なので基本目指さなくてもいいと思っています。公共性の高いサイトでしたらレベルAA。例えば、企業がいろいろな人から自社のプロダクトにアクセスして欲しいと考えるのであればレベルAAを目指すべきですが、そうでなければ、とりあえずはレベルAでもいいかと思います。まずはウェブアクセシビリティの方針を策定していき、サイトやマニュアルで公開するとよいでしょう。

ウェブアクセシビリティ基盤委員会では試験のガイドラインなどを出されていますが、その試験について教えてください。

太田:試験は、ウェブアクセシビリティの方針に基づいて「JIS X 8341-3」に対応できているか確認するためのものです。それぞれのレベルに対して「達成基準」があり、満たすべき基準が決められています。例えば、コントラストなら数値基準が明確に決められていて、それを満たしているのか見ていきます。正確性を求めるのであれば外部の会社に依頼してもいいですし、自分で試験してもいいということになっています。ウェブアクセシビリティの試験というのは、あくまで自主的なものなので、試験をやってその結果を自分から公開するというスタイルですね。

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