事業者によって事情は異なるでしょうが、情報発信の意義を分かっていないことが多いようです。福祉の例で言えば、何もしなくても入所希望者が多くて情報発信の必要性がなかった名残でしょうか。本格的な競争原理(市場原理)が働いていないため、情報発信を行なう意識が高いとはいえない状況です。そういうところで情報発信する意義は利用者のためにという倫理観に頼るしかありません。私は、福祉活動はかなりの部分が情報活動ではないかと思っています。情報がつながって初めてサービスや関係性になっていくわけですから、福祉活動の多くが情報マネジメント力に左右されるということにいかに気づくかということです。ニーズというのは実は情報。“ニーズという情報”と“サービスという情報”をつないでいくマネジメント技術を向上させるための業界としての発展が必要です。
最近、福祉関係事業者の広報関係の研修を行なったのですが、「研修で初めて自分達が何をやるべきか分かった」と言ってくださった参加者がかなりの数いらっしゃいました。社会から見た自分に対する情報面でのニーズに初めて気づいたということですが、これは重要なことです。
参考までに、社会福祉施設がHPで情報発信する意義について挙げてみましょう。
※「月刊−福祉」(全国社会福祉協議会発刊)福祉のホームページ訪問より
バリアフリーにすることによって、よりたくさんの人たちに見てもらえるというメリットはもちろんあります。自分達のやっていることを広く知ってほしいと思っている事業者なら意味はあるでしょう。健常者にとっても情報を収集するのに使いやすくなると思います。
第三者評価や情報開示が制度的にも進んでいく中で、福祉業界もサービス利用のための情報発信を本格的に考える時期にきています。
以下は、このページの奥付です
原本作成日: 2006年3月7日; 更新日: 2019年8月16日;