障害者がパソコンやワープロを利用する時は、自分の障害の種類や程度に応じた補助装置を利用するケースがほとんどです。
平成10年の郵政研究所の身体障害者、高齢者に優しい情報通信の在り方に関する調査研究報告書では、障害者がどのような補助装置を利用しているか、調査しています。
調査結果では、最も障害対応機器・装置を使用しているのは視覚障害者となっています。特に「音声入出力装置」は48%と半数の人が利用しており、視覚障害者にとって重要な付加装置となっています。
障害対応機器・装置の使用について、「特にない」とする人が聴覚障害者の73%、音声・言語障害者の69%、肢体不自由者の60%を占めています。これらの障害者については、ほとんどの人が特に障害対応措置を講じないままパソコン・ワープロを使用していることになります。ただし、適切な障害対応機器等がない/知らないために利用していない人は回答者に含まれていないことや、障害対応装置等が高価であるために購入をあきらめている人がいる可能性に留意する必要があります。このような障害者を取り巻く環境面では、最近になり障害対応機器等の購入に助成金を出す自治体も出てきたり、適切な障害対応機器等の選定に必要な情報をもちアドバイスする「パソコン・ボランティア」の存在も知られるようになるなど、よい方向に進んでいる部分もあります。
補助装置の種別 | 聴覚障害者の利用率 |
---|---|
音声入出力装置 | 0% |
画面拡大・反転装置 | 2% |
キー入力ソフト | 2% |
キーボードに装着する装置・器具 | 2% |
点字ディスプレイ | 0% |
キーボード操作用自助具・補助具 | 0% |
障害状況に対応したマウス | 1% |
符号化して入力する装置 | 1% |
大型・小型キーボード | 0% |
その他 | 2% |
特にない | 73% |
無回答 | 17% |
補助装置の種別 | 視覚障害者の利用率 |
---|---|
音声入出力装置 | 48% |
点字入出力装置 | 33% |
点訳・点図ソフト | 26% |
画面拡大・反転装置 | 17% |
キー入力ソフト | 3% |
点字ディスプレイ | 8% |
障害状況に対応したマウス | 0% |
符号化して入力する装置 | 1% |
大型・小型キーボード | 0% |
その他 | 0% |
特にない | 18% |
無回答 | 19% |
補助装置の種別 | 音声・言語障害者の利用率 |
---|---|
音声入出力装置 | 4% |
キー入力ソフト | 8% |
キーボードに装着する装置・器具 | 8% |
障害状況に対応したマウス | 4% |
特にない | 69% |
無回答 | 8% |
補助装置の種別 | 肢体不自由者の利用率 |
---|---|
音声入出力装置 | 1% |
画面拡大・反転装置 | 4% |
キー入力ソフト | 4% |
キーボードに装着する装置・器具 | 4% |
キーボード操作用自助具・補助具 | 4% |
障害状況に対応したマウス | 2% |
その他 | 3% |
特にない | 60% |
無回答 | 19% |
出所:郵政研究所(現総務省 情報通信政策研究所)「身体障害者、高齢者に優しい情報通信の在り方に関する調査研究報告書」1998(平成10)年1月調査
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原本作成日: 2002年4月1日; 更新日: 2022年2月28日;