研究開発名 | 豊かな感受性を育む障害児向け電子メールソフトの研究開発 |
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団体名 | 株式会社アニモ |
対象となる人 | 軽度の知的障害児童等 |
目的 | 現在、知的障害をかかえる児童生徒や手足が不自由な障害者、目の不自由な障害者、高齢者等が利用できる電子メールソフトには、(1)キーボードやユーザインターフェースなど入力機能を改善したもの、(2)音声合成ソフトによるメールの読上げ機能を付加したもの、(3)漢字の読み能力に応じたひらがな変換・ふりがな付加機能等を搭載したものなどが実用化されています。 しかしながら、成長過程にある障害児等にとって、情緒性に富んだ意思伝達や意思交換を支援する手段(機能開発)はまだ整備されておらず、感受性豊かな幼少の児童にとっては、知的学習活動を通して体得し得る「感性の豊かさ」を育む環境は決して万全でないという現実があります。 本テーマでは、より人間らしい「うれしい」感情、「かなしい」感情を表現ができる音声読上げ機能を搭載した電子メールソフトを開発することで、軽度の知的障害児などへ、ITコミュニケーションを活用した意思交換手段を提供し、豊かな心の成長を支援することを目的としています。 |
概要 | テキストデータを音声データに変換する音声合成ソフトの分野では、これまで聴き取りやすさの向上に重点を置いて研究開発がなされてきました。これに対して本研究開発では、より自然なコミュニケーションの実現に向け、感情を表現できる音声合成ソフトを研究開発します。この感情表現可能な音声読上げ機能を搭載した電子メールの提供により、軽度の知的障害児などにおけるITコミュニケーション分野での感情伝達手段を提供し、より豊かな心の成長を支援します。 |
新規性 | 現在各社より提供されている電子メールソフトへ感情表現豊かな音声合成機能を搭載することによって、軽度な知的障害児や視覚障害児などにも利用可能な新しいコミュニケーションツールが提供可能となるほか、各種福祉機器への活用や福祉児童施設におけるIT技術を活用した教育手法の導入の一助となることが考えられます。 |
波及性 | 現在、音声合成技術が活用される適応分野としては、電話サービスにおける自動応答装置やカーナビゲーション機器などの限られた範囲となっております。これは、従来の音声合成技術では感情を表現することが不可能であるために適応領域が限定されているといえます。 本研究開発により、BSデジタルデータ放送や携帯機器などを対象とした情報提供サービスにおいて、さまざまな音声の表現力が必要とされるエンターテイメントコンテンツ等を提供することが可能となります。 |
有益性 | 電子メール等のIT技術製品へ新たなコミュニケーション手法を提供することで、社会との接触が限定されがちな障害児や高齢者に対しても多様な意思伝達環境を整備することが可能となります。これによりコミュニケーションの柔軟性が創造されるため、社会との楽しいふれあいが持たらされると考えられます。 |
事業化(市販)の計画(予定) | 平成14年度の研究開発成果に基づき、感情を表現できる音声合成ソフトを平成15年9月に商品化する計画です。 |
研究開発期間 | 平成14年度〜平成15年度 |
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原本作成日: 2002年4月1日; 更新日: 2019年8月16日;