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テクノロジーとデザインの力で心に寄り添う世界をつくる。富士通のユニバーサルデザインへの取り組み

1 ユーザーの声に耳を傾けて“気持ちに寄り添う”サービスに

ユニバーサルデザインを考える上で大切にされている理念について教えてください。

杉妻謙さん(以下、杉妻):富士通は、パーパス(存在意義)として「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」を掲げています。その実現に向け、2021年に新事業ブランド「Fujitsu Uvance(フジツウ ユーバンス)」も始動しました。ここでは社会課題の解決にフォーカスしたビジネスの強化を推進しています。そして、ユニバーサルデザインもその一端を担っています。

ユニバーサルデザインを考える上で、「1.五感をおぎなう」、「2.身体をいたわる」、「3.経験や文化を気づかう」、「4.利用状況にそなえる」、「5.使いやすさを極める」の5つの視点を大切にしています。そして、「人が中心」というデザイン視点は昔から変わらず富士通が大切にしてきたことです。この考えがベースにあるので、実際に現場への視察やインタビューなどを行って、ユーザーの声を聞き、それをサービスに反映することを心掛けています。

それはマーケティングと違うのでしょうか。

杉妻:そうですね。マーケティングは市場調査なので、インタビューをすることはあるかもしれませんが、データで見るためには数が必要になります。私たちの調査は、数よりももっと人にとって深い部分を見ています。例えば、「感情的にはどうか」という視点です。何がサービスや製品を利用する人の一番の喜びにつながるのか、痛みのポイントはどこにあるか、そのような部分を起点に新しい価値を考えています。

より深い部分を見たことで、どのようなサービスが生まれたのでしょうか?

杉妻:富士通のデザイナーを中心に生み出された新たなサービスの一つとして、環境音を可視化する「エキマトペ」があります。駅のアナウンスや電車の走行音などを文字や手話、オノマトペとして視覚的に表現するサービスです。担当するデザイナーやプロジェクトメンバーが川崎市立聾学校の子どもたちと一緒にアイデアを考えた取り組みで、マイクで集音した音声や環境音をAI分析し、意味に合わせてフォントを自動的に変化させてモニターに表示します。「もっとこうなったら通学が楽しくなるのに」という子どもたちの声を、富士通と東日本旅客鉄道、大日本印刷が共創して形にしたものです。

実証実験として期間限定でJRの駅ホームに設置された「エキマトペ」

実証実験として期間限定でJRの駅ホームに設置された「エキマトペ」

実証実験として期間限定でJRの駅ホームに設置された「エキマトペ」

「らくらくスマートフォン」のような高齢者を対象とした需要の多い商品開発だけでなく、少数派である障害者を支援する領域にまで幅広く開発を行っているのですね。

浅川玄さん(以下、浅川):「エキマトペ」はまだ実証段階なので、ビジネスとは言えないかもしれません。既に広く普及している「らくらくスマートフォン」と同列に考えることは難しいのですが、SDGsでも掲げられている「誰一人取り残さない社会」を実現するために、富士通のプロダクトやサービスで実現することはもちろん、様々な企業と協力することによって環境を整える取り組みも始めています。

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