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いつでも、どこでも、誰にでも読書の喜びを。
電子図書館とそのバリアフリー化への取り組み

3 サービス導入の課題

電子図書館サービスを導入する図書館が順調に増えている反面、閲覧可能な蔵書数が少ないという、ユーザーからの声があります。電子書籍データを図書館に提供するにあたって、出版社や著者に許諾をいただくことは簡単なことではなく、その許諾、条件交渉に時間がかかっているのが現状です。特に利用者からの閲覧希望が多い最新刊やベストセラー本などを早期に導入することは難しく、版権を持つ側に強い権利がある日本特有の風土の中で、地道な開拓を行っていく必要があります。

2016年10月に紀伊国屋書店・講談社・KADOKAWAの共同出資で設立された株式会社日本電子図書館サービス(JDLS)と株式会社図書館流通サービス(TRC)および大日本印刷株式会社(DNP)の資本提携が発表されましたが、これによって約2万タイトルだった蔵書が一気に4万タイトルまで増加することになりました。今後、閲覧可能な電子書籍数をもっと増やすことで利用者の満足度を上げていきたいと思っています。

そして、別の課題では、図書館側の予算管理の問題があります。通常、蔵書の購入は「書籍購入費」として予算化されているのですが、TRC-DLではクラウド上にある書籍データはあくまでTRCが管理しているものであり、図書館側はそのサービスを利用する「システム利用料」という費目で支払うことになります。しかし、公営の施設だけに予算項目の変更は簡単ではありません。

さらに、ユーザーからは、視覚障がい者向け専用画面をスマートフォンやタブレット端末でも利用可能にしてほしいとの声もあります。現在開発が進められており、2017年度にはサービスが開始される予定です。

三田市立図書館での視覚障がい者向けサービス検証から生まれた改善が全国の電子図書館にも反映されている。
  三田市立図書館での視覚障がい者向けサービス検証から生まれた改善が全国の電子図書館にも反映されている。

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