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「VUEVO」を開発した背景について教えてください。
羽原:発言内容をリアルタイムで文字に起こすサービスは多数ありますが、「VUEVO」の特長は発言内容の文字化に留まらず、発話者の方向を把握できる点にあります。この点にこだわって開発したのは、実際に当事者の方の困り事があったからです。
聴者の場合、騒がしい環境であっても、音声を無意識に選択して話している人を特定したり、必要な情報をピンポイントで聞き取ったりすることができます。ところが、聴覚障害や聞こえにくさがある方は、複数人と会話する状況になると発言者の特定や発言内容の聞き取りが難しいケースが多くなってしまいます。そのため、難聴者が複数人の会話に参加するとき、補聴器などを使用していたとしても、声の方向がわからない、聞き分けが難しいといった課題がありました。
実際に、難聴者の方にヒアリングしたところ、誰が何を話しているのか分からないために会議に出席できない、したくない、招待されない、人が騒いでいるざわざわした場所で友達とうまくコミュニケーションを取ることができないなど、多数の困り事を発見しました。
このような困り事を解決し、コミュニケーションのバリアフリーを実現したいと考え、「VUEVO」を開発することになりました。当社は、社会的意義があるソリューションを連続的に世の中に生み出し、社会実装することを生業としています。コミュニケーションのバリアフリーの実現を後押しするソリューションを手掛けることは、とても社会的意義があると考えています。
聞こえの違いがある方々のコミュニケーション、多言語でのコミュニケーションなど、様々なコミュニケーションを活性化させたり、スムーズにしたりするソリューションを生み出すために、プロジェクトをいくつか進めています。今回の「VUEVO」もその一環でした。
聞こえの違いのある方々のコミュニケーションの壁を取り払うことを目標に「VUEVO」を開発したと話す羽原さん