実証実験に参加されているのは、どのような方なのでしょうか?
曽川:現在、実証実験でシステムを利用している8名は、抱える障がいもさまざまです。「てんかんの発作がいつ起こるかわからないから、外に出たくてもなかなか出られない」という19歳の若者。身体障がい、精神障がい、知的障がいのある方。知的障がいに関しては、画像で表示されているものが何なのか判断できる方であれば、システムの操作に支障はないのではと思っています。
利用者から、「作業としてかなりやりやすい」、「わかりやすい」などの声が上がりました。仕事をしている、自分が必要とされている、という大きな実感も得られているようです。いずれは重度の障がいのある方が在宅で仕事できるシステムをつくっていきたいです。
また、障がいのある人だけではなく、自宅で働きたい主婦の方やお年寄り、幅広い人々に利用していただけるシステムづくりが大事ではないかと感じています。その上で、「太陽の家がつくったAIは精度が高い」というブランドを確立できたらよいですね。
アノテーションを仕事にしていく上で、ICTの影響は大きそうですね。
曽川:やはり、先端技術を活用することで物理的な距離や環境の問題をクリアできると思っています。先ほど申し上げた通り、システムはWebブラウザがベースですので、PCだけでなくタブレットを使えれば、空いた時間に寝たまま作業することもできるようになります。場所を問わず、どこでも仕事ができる。それを目指し、今後はタブレットにも展開していきたいですね。