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ICTを活用して障害児教育の変革に努める特別支援学校教諭の取り組み

3 コミュニケーション能力は豊かな人生を送るために欠かせない

特別支援学校におけるICT活用の可能性をどのように捉えていらっしゃいますか?

内田:ICTはあくまで教育の手段のひとつであって、そのすべてをICTに依存するのは良くない面があると思います。たとえば、先ほどの心拍の取組に関連しますが、重度心身障害児(者)の支援にライフログを活用することは、とても可能性があることだと思います。しかし、例えばiPadのカメラで撮影して、対象者の感情を自動的に読み取ることができるアプリが誕生したとしても、これを活用することについては慎重にならなければなりません。もしそれによって喋ることができないような人の感情が読み取れるということになると、下手をすると介護する側は対象者を見ないで、そのアプリだけを見るようになり、コミュニケーションの本質が失われるのではないかと危惧しています。さらに教育となると「分かる」ことも重要ですが、その先の「教える」という部分が大切なので、そのスキルを教員は磨かなくてはなりません。

内田先生は、コミュニケーション能力を高めることの大切さについて、どうお考えでしょうか?

内田:コミュニケーション能力の向上は、障害のある子どもたちにとって非常に大切で、それは学習の範囲に留まらないと考えています。学習や就労のためだけでなく、個人が心豊かに生きていく上で欠かせないものだと思います。たとえば、私たちは生徒が将来の夢を考える授業も行っており、ポストイットに好きなことを書き出し、話し合いの中から主体的に導き出すような取り組みをしています。 そのうえで、具体的にどのようなことが必要なのか、教師や家族、友達からのアドバイスをもらうこともあります。なかには、YouTuberやアイドルになりたいという子もいて、「それならファッションのことを勉強しておいた方がいいかもしれないね」と授業を通してアイデアを出し合うことも。その夢が叶うかどうかは別として、自分の思いや意思を伝えるコミュニケーションを通して、人生の豊かさを考える契機になるような支援や教育が必要だと思います。

コミュニケーションを手助けするためにICTを有効活用したいと語る内田教諭
コミュニケーションを手助けするためにICTを有効活用したいと語る内田教諭

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