授業ではiPadなどのICT端末も活用されていらっしゃいます。これから、ICT技術は肢体不自由な子どもたちの可能性をどのように広げていくと思われますか?
禿:すでに、ICTによるバリアフリーはかなり進んでいると思います。たとえば、電話というのは、肢体不自由の子どもにとって、かなりレベルの高い行為でした。しかし、いまはiPad の画面で Skype のボタンをタッチするだけで通信できる時代です。このように、ICT分野のテクノロジーが発達することによって、健常者の生活が便利になるだけでなく、これからも障害によって出来なかったことが出来るようになると思います。その意味でも、ICTは障害を持つ人たちの生活基盤を支えていくインフラではないでしょうか。
寺田:私がプログラミング授業で感じたのは、多くの人に見てもらうことを前提に作品をつくっているなということでした。授業の最後には、必ず作品を発表してもらって、皆に共有する時間を設けているのですが、普通の授業だと教室にいる生徒と先生に向けて発表して終わりになってしまいます。しかし、ICTを活用することで、ウェブサイトに公開することもできますし、より多くの人に見てもらえる可能性が広がります。つくって終わりではなく、その次があることは出来上がる作品も大きく変わってくると思います。
今後、ICTを活用した授業の展望があれば教えてください。
禿:光明学園として「遠隔教育」に取り組んでいきたいです。肢体不自由があったり外出が困難な子どもたちにVRを取り入れたり、病院や自宅にいながら集団授業に参加できたりするように仕組みを整えたいと思います。
寺田:CANVASとしては、新しい未来を作っていくテクノロジーと子どもたちの接点を増やしていきたいと思っています。今年度は新しくVRを採用しましたが、実施したのはカメラで撮影してウェブサイトに公開するところまでです。今後は、もう一歩踏み込んで、 VR コンテンツ自体を一緒に作っていくことができたらと思っています。
今後も子どもたちの可能性を広げるためにICT教育に注力したいと語るお二人