全国の大学などの高等教育機関で学ぶ聴覚障害学生は1609人(平成25年度、独立行政法人 日本学生支援機構調べ)に上ります。教科書があり、決まった内容に沿って行われる小・中学校などの授業と異なり、内容も方法も教員それぞれの考え方で行われる大学などの講義は、耳が聞こえない、あるいは聞こえにくい学生にとっては大きなハンディキャップです。平成28年4月から施行される「障害者差別解消法」では、障害のある学生に対して必要なサポートする「合理的配慮」が、国公立大学では義務付けられ、私立大学でも努力義務となります。先駆的に聴覚障害学生のサポートを続けてきた日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan)の活動や、その中で一つの柱になっている「遠隔情報保障」について、事務局長である白澤麻弓筑波技術大学障害者高等教育研究支援センター准教授と、遠隔情報保障システムの開発に取り組んでいる三好茂樹同センター准教授に話を伺いました。