そもそも、ほんのわずかな動きですと、初対面の人は、目の前にいる障がい者が身体のどの部分を動かせるのかわかりません。そんなときに有効なのが「モーションヒストリー」機能です。
動くところだけ、どんどん色が濃くなる機能で、体の動きをログ(履歴)として保存できます。ここに自動的にスイッチを設定する機能もついています。障がい者を支援する人がこのログをみて、どこが動かせるのかを情報共有できる「モーションヒストリー」は、これまでにない独創的な機能と言えます。
「モーションヒストリー」機能で撮影した手の映像。親指だけが動くことがわかる。
顔の動きをスイッチに見立てる「フェイススイッチ」という機能もあります。
デジタルカメラで人物を撮影するときに顔を認識する機能がありますが、それと同様にKinectで顔を認識します。「口」「頭」などのパーツを選択して、口なら「開ける」「閉じる」を、「顔」なら上下左右いずれかに向けたときを、それぞれスイッチとして機能させることができます。動かす度合いも少しだけ動かすのか、大きく動かすのか、使う人に合わせて設定できます。フェイススイッチの一番いいところは、身体がどれだけ動いても、スイッチから離れることがないという点です。
フェイススイッチの設定画面。