聴こえにくさを補う手段としては、手話や要約筆記、字幕などがあります。テレビや映画などでは字幕を付ける試みが進んでいますが、日常生活での会話などは、筆談や手話によるコミュニケーションになります。しかし中途失聴した場合は、手話がわからない方も少なくありません。
聴こえに障害があっても、音声言語コミュニケーションが取れるようになれば、喜びは大きいのですが、音声言語から情報を取得したい人への支援は、とても少ない状況です。
聴こえに障害がある方からは、もっと多くの映画館などの施設に磁気ループ補聴システムを設置してほしいという声が上がっています。磁気ループについては、社会環境への整備を訴えていくことが必要だと感じています。多くの方に関心を持っていただき、賛同していただければ、普及が促進されると思います。私たちは今後も各地の映画館に呼びかけて、設置を進める橋渡しをしていきます。
人工聴覚情報学会では、2012年に、聴こえのバリアフリー・シンポジウム「聴能・言葉・音楽」〜音楽と言語と脳〜、人工内耳シンポジウム「人工内耳の効果とは? 聴こえが見える化することで解ること・出来る事」というシンポジウムを開催しました。シンポジウムは、株式会社日本コクレアの協力で開催できました。
そのほか聴覚障害児のための音楽ワークショップ、「耳を大切にしましょう」と名付けたミニ音楽会などを開催しました。
今後もシンポジウムなどを企画して、人工聴覚の情報について伝える活動を続けていきます。