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触地図自動作成システムtmacsの開発(2/5)

2 触地図の開発に必要な工夫

 これまで18年ほど視覚障がい者のための支援機器の開発に携わってきました。パソコン操作を音声で支援するためのソフトやスクリーンリーダーの開発に関わりました。

 触地図自動作成システムtmacsを開発するきっかけは、海外で行われていたTMAPというプロジェクトを知ったことです。住所を入れれば触地図が出るという地図作成システムでしたが、米国でのみ使用可能でした。そのため、支援者が簡単に操作でき、視覚障がい者自身も操作可能な、国内の地図に対応したシステムを開発したのです。

 tmacsでは視覚障がい者自身が使えるようにするため、スクリーンリーダーの音声ガイドにしたがって、出発地と目的地を入力するだけの簡単操作とし、住所や施設名で地図の検索ができるようにしました。また凡例は自動点訳されます。視覚障がい者自身が自分自身で操作して、触地図を出力することができます。

 触地図の表示については、海外の文献や過去の文献、触図のガイドラインなどを参考にして作成しています。

 地図内の記号は、大まかにいうと点と線と面に分かれます。触地図ガイドラインでは、点記号(○、△、×などを用いてある一点を表す)、線記号(道路と鉄道を表す)、面記号(ある領域を表す)の実例が示されています。それらの記号のうち、何種類を使い分けられるか、どのくらい間を開けて使うべきか、重ねて使う場合はどのような表記をすべきか、などについて記されています。しかし、触地図用の標準の地図記号というものはありません。また線記号には、何ミリと何ミリの線を使うべきといった数値の指針や、面記号には具体的にこの記号を使うべきという指針まではありません。

 そのためガイドラインを基に、指針を満たすと思われる程度の記号を自分たちで作り、線の太さや点記号で区別できる数、面の模様の識別など、視覚障がい者に実験に協力してもらって、実際に触って感想を聞いたり、実験を行って開発を進めてきました。

 立体コピーの触図では、道路幅の違いはわかりやすいという評価をいただいています。

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