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「ワンセグ・オーディオ・レシーバー」の研究開発について(3/5)

3 開発で工夫したこと

 はじめはワンセグだけに対応する機種を開発していましたが、要望によりラジオのAM放送、FM放送にも対応するものも開発しました。できるだけ軽くて持ち運びしやすいものをと、本体は電池を装着して約270gと軽量化しました。
 色については、東日本大震災の教訓から、災害時に見つけやすいように本体を白基調のものにし、ボタンの色を黒にしました。白と黒のコントラストがはっきりしたものが視覚障害のある方の目に飛び込みやすいそうです。ボタンの数や高さ、形状、配置にも工夫を重ねました。ボタンの数は12個とし、1ボタン1機能としました。ボタンの数は多いのですが、操作はわかりやすいと思います。
 さらに視覚障害者の方から、「自分ひとりでも操作ができるようにしたい」、「ボタンが多いとどのボタンにどんな機能がついているか分からない」「ワンセグで音声が入らない場合に、故障しているのではないかと不安になるので、音で判断できれば安心である」などの声もあり、音声ガイドの機能を付加しました。
 ワンセグの地域設定をするときは、ガイドボタンを押すと音声ガイドが放送局名とチャンネル番号を読み上げますので、ガイドに合わせて設定することができます。音声切り替えボタンで主音声(通常放送されている音声)と副音声(主音声と別に用意された音声。2ヵ国語放送や解説放送など)が簡単に切換えられます。
 操作を覚えてしまえば、音声ガイドは不要であるとの指摘もいただきましたので、音声ガイドがオンオフできるボタンも追加し、電子音のみで操作完了をお知らせできるような仕様にもなっています。
 これもまた東日本大震災から学んだことですが、緊急時の安全確保のための緊急警報放送(EWS)受信機能も備えています。
「緊急警報放送(EWS)を聴くことができるAM・FM放送の中から1局を登録することで、待機状態(電源OFFの状態で、コンセントにつなげられている状態)時でも緊急警報放送(EWS)の信号を受信した場合には、自動的に機器が立ち上がり、指定した放送局から災害発生をいち早く知ることができます。
 NHKは毎月1日の11時59分から緊急警報放送(EWS)の受信機の動作を確認するために試験放送を行っています。緊急警報放送(EWS)の試験信号受信時に自動的に起動し、きちんと装置が動作していることを確認してくださいとお伝えしています。
 またテレビを聞きながら眠りたいという要望から、スリープタイマーも付けました。30分、1、2、3時間の4パターンの設定が可能です。連続して使用可能な時間は、アルカリ単三電池4本で、ワンセグ受信時が約10時間、AM・FM放送時が約50時間です。側面には、外部アンテナ端子(ワンセグ用)、イヤホン端子、ACアダプター端子があります。(内蔵アンテナがありますが、外部アンテナにも対応できるようにしてあります。)その他、お気に入りの放送局を登録できるマイチャンネルボタン(ワンセグ・AM放送・FM放送ごとに1局ずつ)も設けました。

ワンセグ・オーディオ・レシーバーNIC100の図解

ワンセグ・オーディオ・レシーバーNIC100の図解

ボタンの説明
オフタイマー 自動的に電源が切れる時間を設定します。
ガイド 音声ガイドをオン、オフします。
TV/AM/FM ワンセグ→AM放送→FM放送→ワンセグ…の順に切り換えます。
マイチャンネル 気に入っている放送局を登録しておくボタンです。
EWS 緊急警報放送を聴かれるAM・FM放送の中から1局を登録するボタンです。(常時安定して聞こえる放送局をお勧めします)
音声切換 主音声→副音声→主副音声→主音声…の順に切り換えます。
受信設定 お住まいの地域での放送局を設定します。

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